Rose Castle

Size : left 65.7″x147.2″(166.8×373.8)cm right 65.7″x147.2″(166.8×373.8)cm
Material : graphite on traditional Japanese paper, rub-on copper powder (GOLD LEAF.ACRYLIC,GRAPHITE)
2014


この作品は17世紀の日本の画家、尾形光琳の300年忌を記念して製作した作品である。

尾形光琳は琳派と呼ばれる画派の代表的画人であるが、この琳派の特筆すべきは、直接的な師事関係がなく作品の模写を通して継承されていった点にある。

題材や構図を再構成し、自身の解釈として、その表現を大成させたのが尾形光琳であり、 ここに本質を見る。

近年バーチャル リアリティの世界は加速的な進化を遂げており、近い将来、シュミレーテッドリアリティ化されるのは必然である。

遠く離れたもの同士が、 テレイグジスタンス サイバー空間で、仮想生活している空中都市は、近代の夜景のように紅白の電気信号が輝いており、その景色を数百年後の未来の光琳のような芸術家が、描いたら、という試みで紅白梅図屏風を転用させた。

光琳が梅なら私は薔薇にしてみようと空中に浮かぶ紅白の電気信号を放つ仮想都市。
まるで薔薇の城の様だと、タイトルはローズキャッスルとした。

時に、思想やビジュアル、固定概念は、時と共に淘汰されたり、それの模倣維持活動そのものに意義が移行し、 排他的地位に保守され、限定されてしまう。

私の根幹にあるのは、 時代を経てもなお価値のある普遍的性質を、 未来の予想された概念におきかえて表現し継承させ、拡張させることにある。

鈴鹿哲生 ARTWORK [ Rose Castle ]
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